2013年12月13日金曜日

カルチャーショック 《第3回 川守田智,Satoshi Kawamorita スイス》


12月に入り,本格的に冬を迎えたチューリッヒ.最高気温が0度を下回ることも少なくなくありません.そんな寒さの中でスイス人が食べるものといえば? そう,チーズフォンデュ!スーパーにはフォンデュ鍋やフォンデュ用チーズがたくさん並んでいます.
1 日曜日に店が閉まる
2 イニシアティブ(国民発議)とレファレンダム(国民投票)
3 時給が高い

そしてもう一つスイスの冬で欠かせないもの,それはウィンタースポーツです.先日世界経済フォーラム・ダボス会議の開催地で知られる,スイス南東部ダボスのスキー場に初滑りに行ってきました.最長滑走距離12kmという広大さと美しさに圧倒されました.

コースの途中にバーがあり,泥酔している人も多くいました.彼らが無事に下まで滑り降りられるのか不安でしたが,私より華麗に滑って帰っていきました.スキー場の山の上で酔っぱらう,日本では考えられないカルチャーショックですね.
というわけで,今回のテーマ「カルチャーショック」.特に代表的なものをいくつか紹介したいと思います.

仙台では24時間365日開いているSEIYUのそばで暮らしていたので,最初は不便に感じていました.スイス人にとってはそれがもう習慣化しているため,特段不便だとは思わないようです.例えば私も日本で元旦から初売りする店には「元旦くらい休んどけば良いのに...」と思うのといっしょで,スイス人も「日曜くらいは休もうぜ...」って思っているのでしょう.また,日曜日には子どもをつれたパパたちが公園にわんさかいて,最初は不便だと思っていたこの仕組みも悪くないなと思っています.

直接民主制と間接民主制,中学の社会で習うこの二つの言葉ですが,前者の実際のイメージはなかなか湧かないのではないでしょうか?スイスは直接民主制を国民投票という形で実現しています.スイスでは10万人の署名を集めると,連邦憲法の改正を求める発議(イニシアティブ)を国民投票にかけることができ,年に平均4回は国民投票(レファレンダム)が行われます.最近行われた例では,今年9月のスイスの徴兵制を廃止すべきというイニシアティブに対して63%が反対し,否決.11月にはある企業内の賃金の最高額と最低額の差を12倍までに制限して所得格差を是正する「1:12イニシアティブ」に対して反対58.5%で否決となりました.この制度はより民意を汲むことができる反面で,国民の強い政治への関心と参画なしでは成り立ちません.ともすると政治を遠くに感じかねない日本と比べると,政治がすぐ身近にある文化もカルチャーショックの1つです.

 スーパーの棚卸しや飲食店のアルバイトで時給20スイスフラン(約2300円)です.私がマクドナルドで時給7フランで働いていたと言うとスイス人は安すぎると憤慨します.アルバイトの時給がスイスの1/5だというチェコからの学生は,「こっちで稼いだスイスフランを握りしめて,チェコで現地通貨に両替する瞬間がたまらなく気持ちいいんだ!」と言っていました.働く分にはいいものの,そのコストが価格に転嫁されて物価が高いのには辟易しますが...

さて,ここまでいろいろ語ってきたものの,ぶっちゃけたところ,最終的な私の意見はこうです.


「そんなに驚くほどのカルチャーショックはなく,日本とほとんど同じ」

確かに,細かな部分で生活様式の差異はあるものの,他の国の事情はわかりせんが少なくともスイスでは基本的な価値観は日本と共通していると思います.つまり,日本で当たり前にやるべきことができればスイスでも評価されます.たまに外国に住んでいるということを忘れることもあるほどです.その意味で僕らが受給している奨学金の名前にも使われている「グローバル人材」という言葉を再考すると,何か特別な能力を持つ人間というよりは,まずは日本で当たり前とされていることをちゃんとできることが重要で,そこで違いをつくるのは,グローバルな世界に踏み出してみる勇気があるか,又は外国語を使いこなせているか,といったことでしょうか.まだ,自分でも確信が持ててはいませんが,やはりこの奨学金を支給している以上「グローバル人材」になって帰ってくるのが宿命ですので,自分なりにグローバル人材の意味を深めながらこれからの留学生活を過ごしていきたいと思います.


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