2013年10月29日火曜日

授業が始まって…《第2回 藤岡直樹,Naoki Fujioka イギリス》

SOASの正門付近
 11月も近づき、イギリスは夏時間も終了して、少しずつ冬の訪れを感じています。
そして、ようやく「ロンドンらしい」気候になってきました 笑。
1日を通して空が雲で覆われ、どんよーりした天気で、気分まで暗くなってしまいます。
逆にプラスに考えれば、外出したくなくなるので、勉強にはもってこいの季節なのかもしれません。
Piccadilly Circus
 さて、留学先の大学の授業が始まってからちょうど1ヶ月が経つわけですが、SOASでの授業は多くの点で、日本の大学と異なっています。
 まず、SOASの特徴として、特定の地域研究に特化している点が挙げられます。
School of Oriental and African Studiesという大学名が示す通り、アジア、アフリカ、中近東に関連した授業が幅広く開講されていて、私が留学先にSOASを選んだ最大の目的である開発学の授業も非常に豊富です。
これほどまでアジアやアフリカを専門的に学べる環境は、日本はもちろん、世界を見渡しても数少ないでしょう。
 ちなみに、僕は全て開発学に関連した授業にしました。
ただ単に開発と言っても、その内容は経済、政治、法と多岐に渡ります。
以下、受講している授業を簡単に紹介します。

- Comparative Growth in Asia and Africa -
アジアとアフリカにおける第二次世界大戦後の経済発展を比較します。
僕の専門は東南アジアですが、その地域だけを見るのではなく、他の地域と比較することで見えてくるものもあると思い、取ることにしました。

- Comparative Political Sociology in Asia and Africa -
こちらもアジアとアフリカの比較ですが、上のクラスが経済発展に焦点を当てていたのに対し、こちらは国家組織や社会の仕組みを取り上げます。
東南アジアもそうですが、アジアやアフリカには様々な政治体制の国家が存在し、必ずしも「西洋」のモデルが適するとは限りません。
将来、開発の分野で働くのであれば、多様な発展過程を知る必要があると考え、受講しました。
- Law and Development -
「法」とは、「発展」とは、という疑問からスタートし、開発における法の役割を学びます。
僕は国際法の授業を取ったことがあるものの、ほとんど法学の知識はありません。
しかし、法も開発の中で欠かすことのできないものであり、世界における不平等を改善するのに法が果たす役割というものを学びたいです。
- Economic Development of Southeast Asia -
ASEAN諸国の経済発展の過程や課題について学びます。
僕が一番楽しみにしていた授業でもあります。
1年間を通して、ASEAN全体のみならず、各国の経済発展を研究することができ、僕の関心に「ど」ストライクです。
Green Park
 SOASは3学期制(3学期目はテスト期間)で、授業によって1学期間のみのものと通年のものとがあります。
テストは、1学期目のものも、2学期目のものも、通年のものも、全て1年の最後にテストがあります。
つまり、中途半端に勉強しているだけでは、1年の終わりに痛い目を見るということです。
成績は、このテストと1学期と2学期にそれぞれ課されるエッセイによって評価されます。

最初のオリエンテーションでもらったSOASグッズ
 開講科目の特殊さに加えて、授業の仕組み自体にも日本との相違点が多々見られます。
 私は4科目を通年で受講しているのですが、それぞれのクラスは週に2時間の講義と1時間のチュートリアルから構成されているので、合計しても週にわずか12時間しか学校で勉強していないことになります。
時間割を見るとスカスカで、大学生になって初めて平日の休みも経験しました。
しかし、決して楽というわけではなく、その分Reading Assignmentが大量に課されのです。
要は、予習によって、あらかじめ自分で一定の知識を習得し、疑問点や意見をまとめた上で、授業やチュートリアルに臨めということです。
英語のネイティヴではない僕にとって、大量の、しかも専門用語が登場する文章を、英語で読むのは骨を折る作業です。
しかし、学期を通して1~数冊の限られた参考書を使う日本の授業とは異なり、こちらでは何種類もの書籍やジャーナルからピックアップされてきたReadingを読まされるので、多くのことを吸収できるのに加え、様々な角度から問題を見ることができ、非常に興味深くもあります。

Reading List
 さらに、チュートリアルも良い刺激を受ける貴重な時間です。
受け身である講義とは異なり、少人数で構成されるチュートリアルでは学生の積極的な参加が求められます。
教授(もしくは博士課程の学生)は補足をするだけで、主導権はあくまで学生側にあり、講義やReading Assignmentの内容を踏まえて自分の意見をぶつけ合う。成績は2つのEssayと講義やチュートリアルへの参加は成績に反映されないにもかかわらず、みんな活発に意見を述べます。
英語力、知識ともに他の学生に劣っている自分にとっては苦痛の時間でもあるのですが、逃げることはできないので、相当のエネルギーを費やして準備をして臨まなければなりません。
これがまた自分を成長させてくれるわけです。
Buckingham Palace
 SOASは、熱心で優れた教授に恵まれています。
日本の大学の先生や授業は、「アタリ」と「ハズレ」の差が大きいですが、こちらはどの授業も素晴らしいです。
これは僕だけでなく、他の人も感じているようで、色々な友達に「授業どうだった?」と尋ねると、必ず「すごくいい先生で、興味深いよ!」といった答えが返ってきます。
しかし、大学で最も大切なのは、そこで学ぶ学生の姿です。
SOAS生は、UndergraduatePostgraduateに関係なく、誰もがそれぞれの研究分野に対して、熱い思いと広い知識を持ち合わせています。
 たった1ヶ月ではありますが、こうした環境に身を置いてみて、いまの自分がとてもちっぽけな存在に思えてきました。
この危機感や悔しさをバネにして勉学に力を注ぎ、1年後にはうんと成長して帰国できるようになろう、と心に誓いました。


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